須磨寺 鯖大師

今回は、以前文学ブログのほうで紹介した須磨寺にある像、鯖大師をご紹介します。


弘法大師木像の右手に鯖が一尾握られていることから弘法大師は鯖大師と呼ばれています。皆さんがよく知る名で言えば弘法大師とは空海のことです。
空海といえば真言宗を開祖した人物として歴史の教科書に出てくるほど有名な人物ですよね。

鯖大師には伝説があり、各地に鯖大師と呼ばれる像が存在します。
そんな鯖大師の伝説は以下のとおりです。

鯖大師
四国の礼所を巡っていた鯖大師は険しい坂を上り詰めたところで一休みをしていた所、塩鯖を馬に乗せた馬子が通りかかりました。鯖大師は馬を見るに、馬を休ませろと馬子に言いますが、馬子はそのまま坂を登ろうとします。それでも鯖大師は馬を休めようと塩鯖を所望した所、馬子は口汚く罵って断り、その場を去ろうとしました。
その時鯖大師が 
「大さかや 八坂さか中 鯖一つ   
      大師にくれで馬の腹や(病)む」
と歌を詠んだところ、急に馬が苦しみ動かなくなり、驚いた馬子は先程の僧は空海に違いない、断ったから罰があたったと思い空海に一匹の鯖を差し出し、許しを乞いました。



その後、鯖大師が加持水を与えた事により馬はたちどころに元気になり、今度は
「大さかや、八坂さか中、鯖一つ、大師にくれて、馬の腹や(止)む」
と詠み、馬子から差し出された塩鯖を海へと浸け、加持祈祷をしました。すると死んでいたはずの塩鯖は生き返り海を泳いでいった、という伝説が残されています。

このことから、ご祈念してから鯖を三年絶つと、子宝成就、病気平癒、願い事が叶う、と言われています。
須磨寺に立ち寄った際は一度ご祈念してみてはいかがでしょうか?